先週のエントリーに書いたのですが、やっと塩野七生さんのローマ人の物語シリーズ最新刊である「迷走する帝国」を読み終えました。
今まで教科書レベルでは全然、全容が分からなかった「軍人皇帝」の時代について、時代背景のある説明があり、私にとっては初めて「どうして軍人皇帝が乱立したのか」を知る、いい機会になりました。
ローマ人の物語シリーズは、作者である塩野七生さんの考えが色濃く反映されていて、歴史的に見て必ずしも支持されている話を紹介しているとは限りません。だからこそ「物語」なんでしょうが、それでもこれが「物語だ」と意識している限り、こうした口調でスパっと歴史を切ってくれると、読んでいる方は小気味いいです。
そういう意味では、中国史の物語を書いてくれる宮城谷昌光さんの本も、分野は異なるものの、そういった爽快感を感じさせてくれる点で、非常に好きです。最新刊の管仲でも、もはや管子ぐらいでしか分からない管仲の像を、宮城谷氏独特の感性で描いてくれています。と、宮城谷氏の作品については、また折を触れて取り上げることにします。