定期的に米国のハードウェア・スタートアップへの投資をウォッチしている米ハードウェア系VCのBoltのブログBolt Blogの最新記事から。昨年は9月末に公開されましたが、今年は10月末に公開されました。
2017年上半期(1月〜6月)は、投資金額と投資件数の両方が伸びました。投資金額は30億ドル(約3500億円)を超え、前年同期比で50%以上の伸びになりました。投資件数も微増し、160件を超えました。
昨年に引き続き右肩上がりを維持するハードウェア・スタートアップ向け投資の内訳を見ていきましょう。
投資金額は3年で3倍超の勢い
2014年の投資総額は約17億ドルでしたが、2015年には約33億ドルと倍増しました。その後も2016年は約44億ドルと30%以上の成長を維持しており、2017年の上期は30億ドル超と、過去最高の半期を達成しています。
一方で投資件数は2014年の約200件から、2015年には300件超へ急増しましたが、その後は頭打ち感があります(2016年は約310件、2017年の上期は160件超)。
つまり2015年にはハードウェア・スタートアップが急増しましたが、その後は1件あたりの投資規模は大きくなっているものの、投資を受けられるスタートアップの数は増えていないことが分かります。
お金の流れはシリコンバレーへ
ハードウェア・スタートアップへの投資額で見ると、シリコンバレーへの一極集中が進んでいます。2015年は全体の65%の金額がサンフランシスコ・ベイエリア(サンフランシスコからサンノゼまでのエリア)に投資されていましたが、2016年はこれが75%まで増えました。
2015年はニューヨークとボストンでの投資金額が伸びましたが、2016年はどちらの都市も額が下がっており、ボストンが2位の座に返り咲きました。
オリジナルの記事では、最近多くの起業家が訴える「ハードウェア業界の不振」について、確かにいろいろな兆候はあるものの、消費者向け電子機器を手がけるスタートアップへの投資金額は過去最大になっているという事実と、一方でVCの投資金額が業界の成功を表す目安には必ずしもならないことなどを、例を使って説明しています。
ぜひ以下のオリジナル記事(英語)をご覧ください。