米国で働く場合に頭が痛いのが「就労ビザ」の問題。これは、自分で事業を始める起業家にとっても大きな問題です。
しかしニューヨーク市が5月から始めたイニシアティブ「IN2NYC」は、地元の大学と連携することで起業家が就労ビザ(H-1B)を取得しやすくするものです。
米国で起業を考えている人は、知っておいて損はないかもしれません。
IN2NYCの仕組みはシンプルです。ニューヨーク市にある大学「CUNY(City University of New York)」のキャンパス/学部にあるコワーキング・スペースにオフィスを構え、大学で起業家むけの研究や教育に従事しながら、自分の会社を運営するというもの。H-1Bビザは所属するキャンパス/学部を通じて申請することになります。
H-1Bビザは年間発給数の上限が決められており(2016年は8万5000)、申請開始からの5日間で上限に達した場合は抽選になります。2016年は25万ほどの申請があった模様で、4月7日に抽選に移行したと発表がありました(USCIS Reaches FY 2017 H-1B Cap)。
IN2NYC方式のメリットは、この「年間発給数の上限」の適用例外である「高等教育機関向け」のH-1Bビザを利用できることで、H-1Bの取得ハードルを大幅に下げられることです(H-1B Cap Exemptions Based on Relation or Affiliation)。
IN2NYCイニシアティブに参加する教育機関(カッコ内は起業家向けコワーキング・スペース)は現時点で以下の通りです。
- City College of New York (Zahn Innovation Center)
- LaGuardia Community College (NYDesigns)
- Queens College (Tech Incubator Center)
- Medgar Evers College (Entrepreneurship & Experiential Learning Training Lab)
- College of Staten Island (Entrepreneurial Incubator & Educational Center)
- Lehman College (Information Technology Innovation Lab)
- Baruch College (Lawrence N. Field Center for Entrepreneurship)
ニューヨーク市の5つの区(マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、 スタテンアイランド区)にそれぞれ1か所以上の参加機関があります。応募要項などについてはIN2NYCのページから申し込めるIN2NYCのニュースレター(メルマガ)を通じて公開される模様です。