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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ(草思社)」を読んだ。整理術の本かと思ったら、スケジュール管理指南本だった。「ふーん、まぁこうやればうまくいくんだろうねー」と思いながら読み進むと、かなり後半(183ページ!)に、結構感動するフレーズに出会った。

それは、「ハートマークのついた行をつくる」である。スケジュールの中に、自分の将来の目標を達成するためのものを組み込み、それをハートマークをつけて、必ず毎日入れて実行しろ、というものだ。例えばチェロ奏者になりたいのであれば、今日は「チェロを戸棚から出す」、明日は「楽譜を探す」、明後日は「弓の手入れをする」などなど。

要は、その日のうちに済ませることができるような小さなことを、必ず毎日の予定に入れて確実に遂行する。「多忙を極めるビジネス環境の中で日々の業務を効率的にこなし、将来の夢を実現しよう」―。この書の隠されたメッセージを垣間見たような気がする。

「夢は本人の意志と実践なくしては実現しない」―。この当たり前のことを、いま、ボクたちは、本当に理解しているだろうか。

終身雇用が当たり前だった時代、自分の夢のために何かをするというのは、もしかしたら背信行為だったのかもしれない。「一生、会社に忠誠を誓う」というのは、会社と個人の夢を一致させない限り、うまくいかないのだろう。

しかし、いま、個人の自立が叫ばれている中、どれほどの人が自分の夢を実現するために、日々自己研鑽しているだろう。いや、みんなしようしようと努力しているし、したいと思っている。しかし、それが「会社に後ろめたいもの」になってはいないだろうか。

逆に、この「後ろめたさ」みたいなものを取り除ければ、(日本)人はもっともっとクリエーティブになれるような気がする。