Sync A World You Want To Explore

関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

Asahi.comによると、最近、市民の記事をベースにしたインターネット新聞が出てきたという。

広がる草の根ネット新聞 市民が記者、生活者の視点で  既存メディアとは違った視点でニュースを届けようと、インターネットを使って草の根の日刊新聞をつくる試みが広がっている。モデルは「すべての市民が記者」のスローガンを掲げ、成功した韓国のインターネット新聞。生活者本意で独自に取材した記事を掲げ、大手新聞との差異化を狙う。

確かに重要な取り組みで、こうしたアクションが既存のメディアのだらしなさにインパクトを与えてくれるのだろう。しかし、やはり既存の新聞の枠組みを超えられないな、と思える部分もある。

広がる草の根ネット新聞 市民が記者、生活者の視点で

(続き)
東京都千代田区の日本インターネット新聞社は「市民一人ひとりが記者になって本物の言論をつくり出そう」と、2月に日刊「JANJAN」を創刊した。政治、経済から暮らしの情報まで扱う内容は幅広い。8月の月間ページビューは約60万。創刊後半年間で10倍になった。

 登録中の市民記者は、会社員、学生、NPO職員ら約550人。元受刑者は「刑務所医療の貧しさ」を訴えた。「2ちゃんねる」などの掲示板への書き込みと違い、署名が原則で、メール送信される原稿の客観性を編集部が判断する。


署名が原則なのは、今の国内の新聞に対するアンチテーゼみたいなところがあるのだろう。しかし、現行の客観性を編集部を判断するというところは、難しいところかな、と思う。日ごろ一緒に仕事をしていない人の、いわば「垂れ込み」の真偽を見抜く必要があるからだ。

名門新聞のニューヨーク・タイムズでさえ、編集者が記者の捏造記事を見抜けなかった。インターネット新聞でも、この部分、つまり「編集者」の質と量の両方が問われてしまうのかな、という気がする。

この記事の最後にも、採算性の問題が、このビジネスの課題として挙げられている。編集の部分をしっかりさせればさせるほど、固定人件費が上がってビジネスにはなりにくい。この辺り、うまく落とし込む方法を考えられないと、こうしたジャーナリズムをうまく波に乗せられないのかもしれない。

しかし、この記事をトップに載せるasahi.comって…。