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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

米国で働く場合に頭が痛いのが「就労ビザ」の問題。これは、自分で事業を始める起業家にとっても大きな問題です。

しかしニューヨーク市が5月から始めたイニシアティブ「IN2NYC」は、地元の大学と連携することで起業家が就労ビザ(H-1B)を取得しやすくするものです。

米国で起業を考えている人は、知っておいて損はないかもしれません。

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IN2NYCの仕組みはシンプルです。ニューヨーク市にある大学「CUNY(City University of New York)」のキャンパス/学部にあるコワーキング・スペースにオフィスを構え、大学で起業家むけの研究や教育に従事しながら、自分の会社を運営するというもの。H-1Bビザは所属するキャンパス/学部を通じて申請することになります。

H-1Bビザは年間発給数の上限が決められており(2016年は8万5000)、申請開始からの5日間で上限に達した場合は抽選になります。2016年は25万ほどの申請があった模様で、4月7日に抽選に移行したと発表がありました(USCIS Reaches FY 2017 H-1B Cap)。

IN2NYC方式のメリットは、この「年間発給数の上限」の適用例外である「高等教育機関向け」のH-1Bビザを利用できることで、H-1Bの取得ハードルを大幅に下げられることです(H-1B Cap Exemptions Based on Relation or Affiliation)。

IN2NYCイニシアティブに参加する教育機関(カッコ内は起業家向けコワーキング・スペース)は現時点で以下の通りです。

ニューヨーク市の5つの区(マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、 スタテンアイランド区)にそれぞれ1か所以上の参加機関があります。応募要項などについてはIN2NYCのページから申し込めるIN2NYCのニュースレター(メルマガ)を通じて公開される模様です。

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