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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

就労ビザH1Bの取得を支援するニューヨーク市のプログラム「IN2NYC」の書類選考の話を書いたのは3か月以上前になってしまいましたが、10月に弁護士の電話インタビュー、11月に大学(実際には大学の起業家センター)との面接が、それぞれ終わりました。弁護士はワシントンDCに本拠を構える移民法担当の弁護士だったために、電話でのインタビューとなったようです。

弁護士からは、会社に関することと、自分に関することを聞かれました。会社の登記場所から始まり、製品・サービスの内容や売上の推移や、自分の学歴など、多々ありました。もっとも、自分が米国のビザを申請するのは何度目かなので、多くの質問はあらかじめ予想できており、そこについては、あまりまごつくことはありませんでした。

今回の発見は、H1Bの要件として、役職と地域に応じた最低賃金を支払う、ということを、自分自身を雇用する際にも実践する、ということです。例え自分が大多数のシェアを持っているにしても、会社と労働者は雇用主と雇用者の関係であり、H1Bは就労ビザですから、会社はそれ相応の給与を支払う必要があるわけです。

IN2NYC Logo

弁護士によると、私のケース(ニューヨーク市内で雇用される修士のCEO)では「最低賃金は15万3000ドル」と言われ、会社がちゃんと給料を払えるだけの資金を持っているかどうかを、かなり細かく突っ込まれました(売上、現預金、資金調達状況など)。H1B申請するのに一番のチャレンジが、会社の財務状況になる可能性があるのであれば、IN2NYCが他のプログラム(例えばInternational Entrepreneur Ruleによる「スタートアップ・ビザ」は、米国の投資家から34万5000ドル以上、調達するなどの条件がある)に比べて競争力を持たない可能性があります。今後はIN2NYCを推進するNYCEDC(ニューヨーク市の経済開発公社)からの融資などを組み合わせて、プログラムの競争力を高めることが不可欠なのではないかと感じます。

なお役職や地域、熟練度などに応じた賃金の統計データは、米労働省が委託するO*NET OnLineを使って調べることができます(調べ方はこちらの記事が詳しいです)。

大学(起業家センター)との面接については、次の機会に触れたいと思います。

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