1月12日に、世界に26か所(2017年1月現在)のアクセラレーターを持つTechstarsがニューヨークで始めた「Techstars IoT」のデモデーに参加しました。Techstarsはデジタル広告代理店のR/GAと組んでニューヨークでコンシューマーIoT向けアクセラレーター・プログラム(Connected Devices)を2014年〜2015年にかけて実施していましたが、その後は開催されていません。今回、Techstarsが単体で実施する「Techstars IoT」は、主にB2B(企業間)向けのIoT製品・サービスを対象にしています。
この日は「Techstars Internet of Things Day」と銘打って、投資家へのプレゼンテーションだけでなく、IoT関連のパネルディスカッションや、ブースでの参加スタートアップのデモなど、まる1日使った大きなイベントでした。
Techstars IoTは昨年10月に開始されました。応募総数は公開されていませんが、選ばれた10社が約3か月のカリキュラムをこなし、このデモデーに臨んでいます。
デモデーに参加されたことがある方にはお馴染みの「今日、◯◯社との契約を発表できることを嬉しく思います」的なフレーズは、たぶん10社中8社からあったと思いますが、そのほぼ全社が、メインスポンサーである「pwc」と「SAP」を挙げていました。
発表しているスタートアップからすると、契約の発表は盛り上がる瞬間です。しかしプレゼンを連続して見ている方からすると、多少マンネリ感が出てしまいます(もちろん、協賛したアクセラレーターで育った会社に、出資や契約に漕ぎ着けるのは、スポンサーとしてはとても重要なことですが)。
ここはスタートアップ側というよりは、アクセラレーター側が演出を検討する必要がある気がします(後半になってくると、「この契約は形式上のもので、はじめの方で発表していたスタートアップは、もしかして顧客がいないのかも?」とか疑念が浮かんできてしまいます)。
以下、デモデーに参加した10社の説明です。ちょっと前までIoTというと「家電のスマートフォン対応」ぐらいのスタートアップが多かったですが、Techstars IoTはB2Bに絞っていることもあり、ソリューション指向のサービスがほとんど。コンサルティングを生業とするpwcが契約するのもよく分かります。
Galaxy.ai
AIを使って、病気を発症前に予想する医師向けのヘルスケア・サービス。
Pillar Technologies
建物の基礎構造に埋め込む各種センサーと分析ツール。温度・湿度だけでなく、水漏れや騒音なども検知できる。
Losant
IoT機器向けのビジュアル開発ツール。
XapiX.io
API構築のためのソフトウェア・プラットフォーム。
TEQ Charging
電気自動車の充電ステーションを設置する際の充電の最適化ソリューション。
Dronesmith Technologies
ドローンが実地で動いているようにデータを返すシミュレーター。
Union Crate
小売店の販売・在庫データを分析し、最適化するソリューション。
FueLoyal
トラックの給油を最適化するソリューション。
Urban3D
コンクリートや労働力の管理や最適化を実現する建設現場向けソリューション。
Mosaic Manufacturing
熱溶解積層法を使い、複数の色を使った3Dプリントが可能なプリンターを提供する。
他の人のプレゼンテーションを見ていると、自分のプレゼンテーションにヒントになるものが多くあり、とてもインスパイアされますね。なかなか見に行ったすべてのプレゼンテーションをブログには書けませんが、なるべく臨場感が伝わるようなブログを定期的に書いていきたいと思います。