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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

米国では、未公開株式への投資は、投資家保護という観点から、SEC(米国証券取引委員会)により厳しく制限されてきました。 しかし近年のスタートアップ・ブームにより、ある条件を満たせば株式型クラウドファンディングに、適格投資家でなくても参加できるようになるなど、未公開株式への投資への門戸が広がりつつあります。 法人の適格投資家は、概ね500万ドル以上の資産を持つ法人と考えればよいのですが、個人の適格投資家は、それなりに厳しい基準でした。具体的には、以下の2つのうち、どちらかを満たしていることでした。

  • 個人の純資産が100万ドルを超えていること(個人、もしくは配偶者との合算。ただし住居の価値は含まず)
  • 過去2年間の年収が、20万ドルを超えていること(もしくは配偶者との合算が30万ドル超)

これが2020年8月26日にSECが発表した修正により、新たに次のタイプの個人が、適格投資家として認められるようになりました。

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  • 適格な教育機関が発行した資格を持った専門職。具体的にはFINRA(金融業規制機構)の提供するSeries 7、Series 65、Series 82の全てのライセンスを持つ人

では、実際のライセンスはどのように取得できるのでしょう。FINRAのテストのページを開くと、100近いテストが並んでいますが、今回の適格投資家と認められるのに必要なテストは以下の通りです(一番上のSIEは、Series 7を受けるのに必要な資格です)。

  時間 設問数 費用
Securities Industry Essentials (SIE) 1時間45分 75問 $60
Series 7
General Securities Representative Exam
3時間45分 125問 $245
Series 65
Uniform Investment Adviser Law Exam
3時間 130問 $175
Series 82
Private Securities Offerings Representative Exam
1時間30分 50問 $40


Series 7やSeries 65の資格があれば、株式取引のブローカーやフィナンシャルプランナーとして活動できますので、適格投資家になるためだけに、これらの資格を取るのは、なかなか難しいかもしれません。しかし資産や給与以外でもエンジェル投資家として活動できるようになりますので、試してみる価値はあるかもしれませんね。