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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

2021年の春ぐらいから、さまざまな広告で「Gorillas」という「注文から10分で配達」というサービスを知りました。その後「Fridge No More」という、ちょっとふざけた名前(「もう冷蔵庫は要らない」)のサービスも、Gorillasに負けないぐらいの広告量で攻めはじめました。ということで夏から少し調べてみたのですが、その後にKDDI総合研究所さまの方でレポートという形にまとめていただきましたのでご紹介します(全文が先方のサイトでご覧いただけます。ただしPDF形式です)。

ラストマイルは「配達まで15分以内」の争いに ニューヨークで即時配送サービスが熾烈な競争

COVID-19で、店舗主体の小売業の多くは、倒産などを経験し、その後、事業の大幅縮小を余儀なくされた。否応なくECへのシフトが進んだ結果、日本に比べて弱いと考えられていた配送サービスが急速に進化している。
いまニューヨークで注目されているのが、注文から配達まで15分前後で実現する「即時配送サービス」を提供するスタートアップである。各社は相次いで資金調達をしており本ビジネスが急拡大していることが伺える。
ドイツ発のGorillasは10月に10億ドル、同じくドイツ発のJOKRは7月に1億7000万ドルを調達し、それぞれニューヨークを米国進出の足がかりにする。
一方、現地勢も急速に資金調達を進めている。3月に1540万ドルを集めた米Fridge No Moreや、4月にシードラウンド(調達額非公表)を実施した米1520など、競合も続々と市場参入している。
これらの即時配送サービスは、Amazon Prime Nowに対抗するサービスとして、主に利便性の面で差別化を図っている。Amazonは、Whole Foodsの配送に、配送料9.95ドルをチャージすることを決め、大都市圏から徐々に有料化を進めている。一方で、無人店舗Amazon GOや、自動精算ショッピングカートAmazon Dash Cartを装備するAmazon Freshのリアル店舗の展開を始めている。
こうしたAmazonの配送サービスに追従するのがInstacartである。食料品店やスーパーなどで買い物の代行をするサービスで急成長した同社は、2021年3月には2億6500万ドルを調達し、創業からの総調達額は27億ドルを超えた。2021年10月には、自動精算ショッピングカートを提供するスタートアップ米Caper AIを3億5000万ドルで買収。小売テック企業としての道を突き進む。
小売り大手でもWalmartやTargetは、スタートアップの買収などで即日配送や、カーブサイドピックアップ(事前に買った品物を店頭でピックアップできるサービス)など利便性を高めたサービスを矢継ぎ早に提供し、InstacartやAmazonに対抗している。
激しいつばぜり合いを繰り広げる小売大手企業が、こうした即時配送サービスを買収して激化するサービス競争を有利にすすめるのか。今後の動向に注目である。