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関 信浩が2002年から書き続けるブログ。ソーシャルメディア黎明期の日本や米国の話題を、元・記者という視点と、スタートアップ企業の経営者というインサイダーの立場を駆使して、さまざまな切り口で執筆しています

2日連続のブログ投稿はとても久しぶりですが、米国も7月になり2015年も折り返し地点を越えましたので、今日はFabFoundry社の新体制についてお知らせします。

昨日のブログ記事(FabFoundryアクセラレーターをニューヨークで始める理由)で「日本との連携を深めるための動きを並行して進めています」と書きましたが、7月から日本向けの体制強化策として、新たに日本人取締役1名と日本人顧問1名がFabFoundryに参画します。

FabFoundryの活動拠点はニューヨークであり、社員やスタッフは米国で活躍するスタッフばかりです。しかし今後の日本やアジアとの連携を考えた場合に、物理的に離れており(飛行機で14時間)ビジネスアワーもまったく重ならないニューヨークから、日本やアジアを拠点とする人々と連携するには、私たちに成り代わって活動できるスポークスパーソンが必要になると考えて、今回の日本人役員の増強を決めました。
公文俊平氏(左)と小口日出彦氏

取締役に公文俊平氏

新たに取締役を務めるのは、多摩大学情報社会学研究所所長の公文俊平氏です(写真左)。「ファブリケーション革命はインターネット以来の衝撃」とファブの有用性にいち早く気づき、数年前から積極的に啓蒙活動を行うなど、FabFoundryの活動を日本の方々にお伝えするには最適な人材であると考えています。

公文氏はソーシャルゲームのenish社の取締役を務めていますが、FabFoundryが今後の社会に果たす役割に深く賛同し、今回のFabFoundry社の取締役就任となりました。

ちなみに公文氏は私の義父(妻の父)にあたります。思いっ切り親族にあたりますので、これ以上のコメントはここでは差し控えたいと思います(笑)。

小口日出彦氏は顧問に

顧問として参画するのは、パースペクティブ・メディア社長の小口日出彦氏です(写真右)。小口氏は私の日経BP社時代の先輩で、雑誌「日経コンピュータ」時代の1990年代半ばにニューヨーク特派員を務め、その後シリコンバレーに異動。帰国後の2000年には米国スタートアップの動向に絞った媒体「日経E-Biz」の創刊編集長、2002年には「日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)」の編集長を務めるなど、FabFoundryの活動と深くリンクする経歴の持ち主です。

小口氏との仕事で印象深いのは、1995年12月7日にマイクロソフトがインターネットに大きく舵を切る歴史的な記者発表をシアトルで開催したときに日本側で一緒に記事を書いたことと、私が日経BP社を辞める直前の2003年にMIT Technology Review日本語版のパイロット誌を一緒に作ったことです。

小口氏はプライベートでは、最近はアマチュア無線を再開し、その縁で東ティモールをはじめとするアジアの国によく訪れているそうで、アジアとの連携にも一役買ってくれそうです。

日本企業との連携を強化

公文氏、小口氏ともに現在の本拠地は日本ですが、米国での経験が豊富で、米国の最新事情を日本で情報発信することに長けています。こうした人材を得てFabFoundry社が日本企業向けの対応を強化することで、日本企業とのさらなる連携が可能になると考えています。

昨日の記事でも書きましたが、急成長しているニューヨークのスタートアップ企業と、ニューヨークとの結び付きが弱くなっている日本企業を、FabFoundryのシード・アクセラレーターを中心とするスタートアップ・エコシステムで結びつけることができれば、世界に対して新しい価値を創造していけるのではないか。そんな思いでFabFoundryを立ち上げています。

つづきます。

この記事は、ニューヨークとVC投資・アクセラレーターに関する記事の一つです